みなさんは、FacebookやInstagramなどのSNSを運営している、メタ・プラットフォームズをご存じの方も多いのではないでしょうか。
2025年6月までの3カ月決算で、最終的な利益は36.1%増えて、183億3700万ドル、日本円にしておよそ2兆7300億円となり、増収増益を続けています。
この背景には、AI技術の活用を進める中で、中核であるインターネットの広告事業が好調だったと言われています。
引き続き成長が期待できるテクノロジー会社の一つでしょう。
今回は、増収増益を続ける多国籍テクノロジー企業!メタ・プラットフォームズについて紹介していきます。
資産運用を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
メタ・プラットフォームズとは?

メタ・プラットフォームズは、アメリカ・カリフォルニア州に本社を置くテクノロジー企業で、旧社名は「Facebook(フェイスブック)」です。
創業は、2004年、マーク・ザッカーバーグらによって設立され、当初はSNS「Facebook」の運営会社としてスタートしました。
2021年に、社名を「Meta」に変更し、SNS企業からメタバース(仮想空間)を中心とした次世代インターネットの構築を目指す企業へと転換を図りました。
現在、MetaはFacebook、Instagram、WhatsAppなど、世界中で利用される巨大なSNSやメッセージサービスを運営しています。
これらのサービスを通じて、個人間のコミュニケーションや広告ビジネスを展開し、売上の大部分を広告収入が占めています。
一方で、近年はAR(拡張現実)やVR(仮想現実)技術の研究開発にも力を入れており、自社ブランド「Meta Quest」などのVRデバイスを展開しています。
メタバース構想の中核を担う「Horizon Worlds」などの仮想空間サービスも開発中です。
ただし、プライバシー問題や競争の激化、メタバース事業の先行きなど課題も多く、今後の成長戦略が注目されています。
Metaは、SNSだけでなく新しいデジタル体験の未来を創造することを目指している企業です。
業績は?
ここでは、メタ・プラットフォームズの直近の業績概要(2025年6月期、第2四半期Q2)について紹介していきます。
2025年第2四半期(6月期)の業績サマリー
売上高:475億ドル(前年同期比+22%/予想446~448億ドルを上回る)
「Family of Apps」(Facebook、 Instagram、WhatsApp等)の収益が全体の99%を占め、広告収入が98%を占めています。
広告収入は、前年比+ 21.5〜22%で、インプレッション+11%、広告単価+9%と増加傾向です。
一株当たり純利益(EPS):7.14ドル(予想5.85~5.89ドルを大幅上回り、実に+22~38%の驚異的な伸び)
営業利益:204.4億ドル、営業利益率43%(前年同期は38%)
総費用は、270.7億ドル(+ 12%)と抑制され、売上に対する費用割合が低下しています。R&D費用やインフラ費用が主な増加要因です。
純利益:183億ドル(+36%)
フリーキャッシュフロー:85.5億ドル、営業キャッシュフロー:255.6億ドル
現金等(現金・現金同等物):470.7億ドルを保有。
従業員数:75,945人(前年同期比+7%、前四半期比では微減)
AIへの大型投資と影響
今四半期は、AIインフラへの投資が急拡大しました。キャピタル支出(CAPEX)は、1億ドル、上半期合計で310億ドルに達しました。
2025年通年では、CAPEXは660億〜720億ドルを見込み、2026年にはさらに1,000億ドル規模になる可能性も指摘されています。
「Meta Superintelligence Labs」の設立や、Scale AIへの14.3億ドル規模の出資、AI人材の積極雇用などが成果を上げ、広告の効率改善とマネタイズ強化につながっていると評価されています。
今後の見通しと課題
次期ガイダンスでは、2025年第3四半期(7〜9月)の売上高を475億〜505億ドルと予想しています。
為替の追い風を受けつつ、前年比+ 24%程度の高成長を期待しています。第4四半期はやや成長率鈍化の見通しです・
費用見通し
通年費用は1,140〜1,180億ドルとし、インフラ・人件費の増加を見込んでいます。2026年は、これよりさらに費用が増える予想です。
株価反応
好調な決算を受け、株価はアフターマーケットで+8~12%急騰し、過去最高値圏です。
CEOザッカーバーグの資産も大きく増加し、世界でも有数の富豪となりました。
Metaの第2四半期は、売上・利益ともに予想を大幅に上回る好決算です。特に、AIへの巨額投資が広告効率やユーザー体験に反映され、「広告王国」としての立場をさらに強固にしました。
一方で、AIインフラ・人材への支出が急拡大しており、短中期の費用圧迫やROI(投資対利益)の見極めが今後の焦点となります。
Metaは、引き続き積極的な成長戦略を推進しつつ、その収益モデルと投資戦略に注目が集まります。
今後の成長は期待できる?

メタ・プラットフォームズの今後の成長には、十分な期待が持てますが、同時に課題も存在します。
まず注目されているのは、AI(人工知能)関連への積極的な投資です。Metaは2025年だけで600〜720億ドル規模のキャピタル支出を見込んでおり、これは生成AI、広告最適化、AIチャットボット、インフラ構築(データセンターや独自AIチップ)など幅広い分野に及びます。
すでに広告収益の効率が改善しており、AIによる広告配信最適化の恩恵が表れ始めています。
一方で、赤字が続くメタバース部門「Reality Labs」は依然として収益化に苦戦しており、成長の足かせとなる可能性もあります。
競合の台頭や、世界的な広告市場の変動もリスク要因です。
それでも、Facebook、Instagram、WhatsAppなどのSNSプラットフォームは安定的なユーザー基盤を持ち、今後も広告事業を中心に収益を伸ばす見込みです。
さらに、AIを活用した新規サービスやeコマース連携などによって、事業の多角化も進むと考えられます。
短期的な波はあるものの、中長期的には成長が期待できる企業といえるでしょう。
まとめ
今回は、増収増益を続ける多国籍テクノロジー企業!メタ・プラットフォームズについて紹介してきました。
メタ・プラットフォームズは、アメリカ・カリフォルニア州に本社を置くテクノロジー企業で、旧社名は「Facebook(フェイスブック)」です。
AI関連による成長が今後も期待されており、赤字が続くメタバース部門での巻き返しができるかどうかが今後のカギを握るでしょう。
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