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未来の医療が劇的に変わる!?ソフトバンクが出資する米AI医療「テンパスAI」について解説!

近年、AI技術の進化は目覚ましく、いろいろな産業に変革をもたらしています。

特に、医療分野では、AIを活用した診断支援や創薬の効率化など、大きな期待がされています。

その中で、特に注目を集めているのが、テンパスAI(Tempus AI)です。また、テンパスAIは、ソフトバンクグループが出資しているAI医療企業です。

今回は、未来の医療が劇的に変わる!?ソフトバンクが出資する米AI医療「テンパスAI」について紹介していきます。

資産運用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

テンパスAIとは?

テンパスAI(旧Tempus Labs)は、2015年にシカゴで創業された米国発のヘルステック企業で、創業者はエリック・レフコスキー氏です。

がん分野からスタートし、現在は心臓病、精神疾患、放射線診断などの領域にもAIを活用した精密医療サービスを展開しています。

同社は、全米65%以上のアカデミックメディカルセンター、50%以上の腫瘍医と提携し、がん患者へのゲノム解析や臨床データ解析を通じて「適切な薬を適切なタイミングで」提案できる仕組みを構築しています。

さらに、抗がん剤開発支援や臨床試験の被験者マッチング、創薬ターゲット発見などライフサイエンス分野における幅広いソリューションを、AIとリアルワールドデータ(RWD)を用いて提供しています。

2024年6月に、NASDAQ市場(ティッカー:TEM)へ上場し、現在従業員は約2,300名です。

グーグルや、ソフトバンクなど著名な投資家から出資を受け、2025年には共同で日本法人「SB Tempus」を設立し、個別化医療への本格展開を開始しています。

同社の技術プラットフォームは、以下の4つの柱で構成されています。

・ゲノム・分子データ解析(がん・心疾患・精神疾患領域)
・臨床・リアルワールドデータ活用(Tempus Lensなど)
・創薬支援AIツール(LoopなどCRISPRやオルガノイドと連携)
・臨床試験マッチング・CROサービス(Compass、Deep 6 AI買収など)

また、患者向けには、病歴の可視化・相談対応が可能なAIヘルスコンシェルジュ「Olivia」アプリを提供し、1,000以上の医療機関とのEHR連携を活かして、個人向け医療をサポートする仕組みも強化されています。

テンパスAIは、「AIを活用して膨大な臨床・分子データから個人に最適な治療を導く」ことをミッションとする米国ヘルスケアIT企業です。

ゲノム解析や、リアルワールドデータ解析、創薬支援ツール、臨床試験マッチング、患者アプリの提供といった多角的なサービスで、がんを中心に心疾患・精神疾患などを対象とした精密医療を実現しています。

NASDAQ上場後も事業拡大は続き、今後は日本でも個別化医療の普及に向けた動きが注目されています。

テンパスAIの業績は?

テンパスAI(Tempus AI)は、高成長と収益改善が同時進行するユニークなフェーズにあります。

ここでは、テンパスAIの業績について売上・利益を中心にみていきます。

売上高の推移

・2024年累計:約5.32 億ドル(約5億3,200万ドル)※PitchBookより
・Q4 2024:四半期売上 2.007 億ドルと前年同期比 +35.8% ()
・Q1 2025:四半期売上 2.557 億ドル (+75.4% YoY)

このペースだと年間売上は、約10〜11億ドル に達すると見込まれています(後述の通期ガイダンスから推定)。

利益・マージン動向

ここでは、利益・マージン動向について紹介していきます。

粗利益

・Q4 2024:1.221 億ドル(+49.7% YoY)
・Q1 2025:1.552 億ドル(+99.8% YoY)

粗利率もQ4の42.5% → Q1の44.5%へと改善しています。

営業利益(調整後EBITDA)

Q1 2025:-1,620万ドル(前年同期は-4,390万ドル)、赤字幅が大幅に縮小しています。

EPS(一株あたり損益)


Q1 2025は‑0.24ドル。予想‑0.26を上回ります。

通期ガイダンス・今後の展望

2025年通期売上ガイダンス:12.5 億ドル(前年比 +約80%)に上方修正しています。

Adjusted EBITDAは、2025年に黒字転換を目指しており、利益成長とともに収益性が改善傾向にあります。

売上・利益の推移グラフ

(売上高:黄色線、純利益:オレンジ線 グラフは決算を参考に筆者作成)

上記のグラフは、テンパスAIの売上高・粗利益・調整後EBITDA(営業利益に近い指標)の推移を示しています。

2024年Q4から2025年Q1にかけて、売上と粗利益が大きく成長しており、赤字幅(EBITDA)も縮小していることが分かります。 

アナリスト評価・株価動向

Zacks(投資情報会社)

2024年Q4からQ1にかけて売上+34%、粗利+45%、粗利率42.5→44.5%の改善、調整後EBITDA損失も61%縮小 しています。

IBD

Q1成長率は75%、EPSは横ばい*(0%成長)*とし、RSレーティングは90台をマークしています。

ウォール街(例:JPMorgan など)

2023年売上は5.318億ドル、将来的にコア利益化(2025年後半目標)との見方です。

テンパスAIは、・売上の急拡大(YoY +35%→+75%と加速)

・粗利率の改善(42.5%→44.5%)
・EBITDA赤字の大幅縮小と、収益性の回復を同時に達成しつつあります。

2025年には、通期売上12.5億ドル(前年比+80%)を見込み、調整後EBITDAも黒字化に向けて舵を切っています。

市場評価も好調で、IBDのRelative Strengthは92、Zacksも連続で高成長と収益改善に注目されています。

アナリスト陣も成長継続と黒字化期待を示しており、今後のAI医療プラットフォームの展開による収益拡大が注目されています

今後の焦点としては、Q2以降の売上・粗利推移やEBITDAの黒字達成時期、そして新製品やライセンス契約(例:AstraZenecaなどとの基盤モデル構築)による収益構造の強化などがあげられるでしょう。

AIを活用した医療は今後実現するのか?

AIを活用した医療は、すでに一部実現しており、今後さらに高度化・普及していくと予想されています。

現在、がんや心疾患などの領域では、AIが患者の遺伝子情報や診療記録を解析し、最適な治療法を提案する「精密医療(プレシジョン・メディスン)」が進んでいます。

特に、米国のテンパスAIのような企業が、ゲノム解析とAIを組み合わせた治療提案を行い、実際の臨床で用いられ始めています。

また、放射線診断や画像解析の分野でも、AIによるがんの早期発見や診断精度の向上が実用段階に入っています。

さらに、電子カルテからリスクを予測する技術や、創薬プロセスの効率化にもAIが使われています。

今後は、AIの学習精度の向上やリアルワールドデータの蓄積により、診断・治療・予防のすべての段階で、AIが活躍する未来が見込まれています。

ただし、個人情報の保護やAIの判断に対する説明責任など課題も残っており、医師との協働・倫理的な運用が必要不可欠です。

それでも、AI医療は「医療の質と効率の飛躍的向上」を支える中心技術として今後確実に発展していくでしょう。

まとめ

今回は、未来の医療が劇的に変わる!?ソフトバンクが出資する米AI医療「テンパスAI」について紹介してきました。

テンパスAIは、2015年にシカゴで創業された米国発のヘルステック企業です。

初めは、がん分野からスタートし、現在では心臓病、精神疾患、放射線診断などの領域にもAIを活用した精密医療サービスを展開しています。

がんや心疾患などAIを活用した治療が進められており、今後の普及は時代の流れとともに日常になっていくでしょう。

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