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三菱商事とは何をしている会社?業績や今後の成長性について徹底解説!

三菱商事は、三菱グループに属する大手総合商社です。世界中に拠点を持ち、国内外の取引や事業投資、様々なサービス提供を通じて、多くにわたる分野で事業を展開しています。

また、資源分野での強みを活かしつつ、非資源分野にも注力し、グローバルな事業展開と成長を目指しています。

そんな三菱商事ですが、業績や成長性はどうなっているのでしょうか。

今回は、三菱商事とは何をしている会社?業績や今後の成長性について紹介していきます。

三菱商事とは?

三菱商事株式会社は、日本を代表する総合商社の一つであり、三菱グループの中核企業です。

本社は、東京都千代田区にあり、1950年に現在の形で設立されました。世界中に拠点を持ち、多様なビジネス分野で活動しており、エネルギー、金属、機械、化学品、食品、生活関連、金融・物流、インフラなど、幅広い事業を展開しています。

三菱商事の特徴は、単なる「物の売買」だけでなく、事業投資や経営にも積極的に関与している点です。たとえば、発電所や鉱山の開発、コンビニエンスストア(ローソン)への出資、食品メーカーやインフラ関連企業との連携など、事業会社としての側面も強く持っています。

また、グローバルネットワークを活かし、新興国市場への展開や脱炭素社会への対応、デジタル技術の活用などにも力を入れており、サステナビリティ経営にも注力しています。

特に近年では、再生可能エネルギー事業やEV(電気自動車)関連分野への投資が進んでいます。

三菱商事は、「三綱領(所期奉公・処事光明・立業貿易)」という企業理念を掲げ、持続可能な社会の実現を目指しつつ、利益追求と社会的責任の両立を重視しています。

日本経済を支える総合商社の代表格として、国内外で大きな影響力を持つ企業です。

三菱商事の業績は?

ここでは、三菱商事株式会社の最新業績(2025年3月期決算)について紹介していきます。

2025年3月期(会計年度)連結業績

・売上高:18兆6,176億円(前期比4.9%減少)
・経常利益:1兆3,934億円(前期比2.3%増加)
・当期純利益(親会社株主帰属):9,507億円(前期比1.4%減少)

売上高は、主に取引数量の減少や、ローソンの持分法適用会社化が影響し減少しています。

一方で、経常利益は有価証券損益や固定資産売却益の改善により微増しています。

最終利益は3期連続で減益となりました。

四半期トレンド(2025年1-3月期)

当期純利益:1,233億円(前年同期比53.9%減)

四半期では、利益の出足が大きく落ち込んでおり、資源価格の変動などが影響しているとみられます。

売上・利益の推移グラフ

(売上高:棒グラフ、純利益:黄色線 グラフは決算を参考に筆者作成)

上記は、2021〜2025年までの売上高(棒グラフ)と純利益(折れ線グラフ)の推移を示しています。

概ね2023年にピークを迎えた後、売上・利益ともにやや減少傾向にあるのが分かります。

2026年3月期見通し

・純利益予想:7,000億円(前期比26.4%減)
・経常利益予想も市場コンセンサスを下回るとの見通し

主要因は、「大きなキャピタルゲインの不在」とされています。

注目ポイント・分析

項目詳細
利益減少の要因資源価格鈍化、ローソン再評価の反動、キャピタルゲイン不足
事業セグメント別食品・ローソンなど一部は増益、電力ソリューションなどは減益 
株主還元配当は110円/株に増配予定(前期比+10円)
財務基盤・資産総資産2.35兆円(前年比+5.9%)

三菱商事は、2025年3月期において、売上高は減少したものの、資産売却益などにより経常利益は微増、当期利益は微減という結果でした。

今後も資源価格・金融市場の動向、投資資産の収益状況が業績に与える影響が大きく、2026年3月期は利益の大幅減を見込む厳しい見通しです。

ただし、増配による株主還元の強化や、食品・小売分野での底堅い収益など一定のポジティブ要素も存在します。

総合商社としての強みである分散ポートフォリオは念頭に置きつつ、キャピタル利得確保への課題にも引き続き注目が必要でしょう。

今後の成長性は?

三菱商事の今後の成長性は、多角的な事業構造とグローバルな展開力を背景に、依然として高いポテンシャルを持っているものの、成長スピードには慎重な見方も必要です。

ここでは、主なポイントについてまとめてみました。

まず注目されるのは、エネルギー・資源分野の変革です。従来、三菱商事は石炭や天然ガスなどの資源輸出で大きな利益を上げてきましたが、現在は再生可能エネルギーや水素、EV(電気自動車)関連ビジネスへと軸足を移しています。

たとえば、海外での風力・太陽光発電事業、次世代エネルギー供給網の構築は、中長期的な成長ドライバーになると期待されています。

次に、非資源分野(コンシューマー・小売・食品)の強化です。三菱商事は、ローソンやライフといった小売チェーンへの出資や、食品サプライチェーンへの投資を通じて、安定したキャッシュフローを生み出す体制を築いています。

少子高齢化が進む日本国内においても、生活関連事業は中長期で安定的な成長が見込まれます。

また、デジタル技術とAIの導入も注目分野です。物流、金融、エネルギー取引などにおけるAI・IoT活用によって、効率化と新たな価値創出が進んでおり、デジタルトランスフォーメーション(DX)による収益機会も広がっています。

一方で、リスク要因としては、資源価格の不安定さ、中国など海外経済の鈍化、地政学リスク、円安の影響などがあり、外部環境に左右されやすい点には留意が必要です。

総合的に見ると、三菱商事は収益基盤の多様化と脱炭素・デジタル化の波を捉えた戦略により、「安定性の中に成長性を秘めた企業」として今後も注目される存在であるといえるでしょう。

まとめ

今回は、三菱商事とは何をしている会社?業績や今後の成長性について紹介してきました。

三菱商事とは、日本を代表する総合商社の一つで、エネルギー、金属、機械、化学品、食品、生活関連、金融・物流、インフラなど、幅広い事業を展開しています。

多角的な事業構造とグローバルな展開力という強みを持つ三菱商事ですが、今後どのように成長していくのか気になるでしょう。

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