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東京エレクトロンとはどんな会社?業績や今後の成長について徹底解説!

日本の東京都港区赤坂に本社におく、東京エレクトロン株式会社をご存じの方も多いのではないでしょうか。

東京エレクトロン株式会社は、世界最大級の半導体製造装置メーカーです。

半導体製造装置およびフラットパネルディスプレイ製造装置を開発・製造・販売しています。

今回は、東京エレクトロンとはどんな会社?業績や今後の成長について紹介していきます。
資産運用を考えている方は、今後も動きを踏まえ参考にしてみてください。

東京エレクトロンとは?

東京エレクトロン(Tokyo Electron Limited、略称TEL/東エレク)は、東京都港区・赤坂に本社を置く、日本を代表する半導体製造装置およびフラットパネルディスプレイ(FPD)製造装置の大手メーカーです。

1963年11月創業、1980年に東証に上場し、国内で最大、世界でも上位に位置する地位を築いています。

主力製品は、半導体製造に不可欠な「コータ/デベロッパー(塗布・現像装置)」をはじめ、エッチング装置、成膜装置、洗浄装置、テスト装置、ウェーハボンディング装置など多岐にわたります。

これらは、世界市場で高いシェアを誇り、特に前工程装置では世界唯一、四連続工程を一貫して展開できる点で知られています。

グローバル展開にも積極的で、国内外合わせて95拠点、連結従業員約2万名規模です。

2023年3月期の売上高は、約2兆2,090億円、営業利益は約6,177億円、純利益は約4,715億円と、極めて高い収益性を示しています。

高収益の背景には、研究・開発への巨額投資(2025〜29年度で1.5兆円規模予定)や、エッチング、洗浄、塗布など複数分野での世界トップシェア維持があり、技術力と総合力に強みがあります。

近年は、ソニーやトヨタなどが支援する半導体製造国内回帰の流れの中で注目度が高まっており、台湾TSMCの熊本工場プロジェクトにも関与しています。

今後は、半導体需要の拡大や国際的な供給網強化の追い風を受け、さらに成長が期待される企業の一つです。

東京エレクトロンの業績は?

東京エレクトロン(東京エレクトロン株式会社)の2025年3月期(2024年4月〜2025年3月)の通期業績は、過去最高を大きく更新する「圧巻の増収増益」であり、売上・利益中心にまとめると以下の通りです。

売上高と利益(連結・日本基準)

・売上高:2兆4,315億6,800万円(前期比+32.8%)
・営業利益:6,973億1,900万円(同+52.8%)、営業利益率約28.7%
・経常利益:7,077億2,700万円(同+52.8%)
・当期純利益(親会社株主帰属):5,441億3,300万円(同+49.5%)

売上高は、2.43兆円と史上最高で、特に営業利益は約7,000億円と過去最高の利益水準を達成しています。

成長の背景・要因

AI・次世代半導体投資の加速

DRAM(特にHBM用途)向け装置の伸長が売上増の最大要因です。全体で33%成長、DRAM関連は+ 59%と際立っています。

高水準の収益性

売上総利益率47.1%、営業利益率28.7%と極めて高く、ROEなど経営効率も良好です。

海外市場の主導

売上の92%は海外で、特に米中や台湾など先端・成熟半導体設備への需要が牽引しています。

売上・利益の推移グラフ

(売上高:青線、純利益:緑線 グラフは決算を参考に筆者作成)

上記が東京エレクトロンの売上高と営業利益の推移グラフ(2019〜2025年)です。売上・利益ともに2025年度に大きく回復しているのが視覚的に確認できます。


東京エレクトロンは、2025年3月期、売上高2.43兆円、営業利益6,973億円、経常利益7,077億円、純利益5,441億円とすべての指標で過去最高を記録しています。

特に、AI・次世代メモリ向け設備需要が大きな追い風となり、営業利益率は約29%と非常に高水準です。

2026年3月期も売上・利益ともに前年実績を超える見込みで、今後も設備投資トレンドに乗って拡大が期待されます。

ただし、景気・為替・市場需給の巡回的な変動に注意が必要なフェーズにある点も押さえておくべきポイントです。

今後の成長は期待できるか?

東京エレクトロンの今後の成長は、以下の観点から期待されています。

いずれも中長期的な視点で見たときに、同社が世界的な半導体製造装置市場で存在感を高め続ける要因です。

ここでは、今後の東京エレクトロンの成長が期待できるかどうかについて紹介していきます。
主に以下のことがあげられます。

生成AI・高性能半導体への需要拡大

近年、ChatGPTをはじめとする生成AIや自動運転、5G/6Gといった高度な情報通信技術の発展に伴い、先端半導体の需要が爆発的に増加しています。

これらの半導体は、製造工程がより複雑・微細化しており、東京エレクトロンが強みを持つエッチング装置、成膜装置、洗浄装置などの重要性がさらに高まっています。

特に、AI向けGPUで用いられるHBM(高帯域幅メモリ)や、先端ロジック半導体の増産投資が相次いでおり、同社はその製造設備需要の恩恵を直接受けています。

2025年3月期の営業利益は過去最高を記録し、これはAI関連設備の投資拡大によるところが大きいといえるでしょう。

グローバル顧客との強固な関係と技術力

東京エレクトロンは、世界中の主要な半導体メーカー(Intel、TSMC、Samsungなど)と長年にわたり強固な取引関係を築いてきました。

これにより、顧客の技術ロードマップに沿った装置開発が可能であり、装置の共同開発やカスタマイズにも柔軟に対応できます。

また、装置単体だけではなく「複数工程を一貫で提供できる」ことも大きな強みであり、装置同士の最適化によって工程短縮や歩留まり向上に貢献しています。

これは、顧客にとって非常に価値の高い提案であり、今後も安定的な装置供給が期待される理由となっています。

半導体製造の地政学的変化と国内回帰の追い風

米中対立を背景とした、サプライチェーンの見直しや、先端技術の国内回帰・分散化の動きは、東京エレクトロンにとって追い風です。

日本国内でも、TSMC熊本工場をはじめとする新工場が次々と建設されており、政府も補助金で積極支援しています。

こうした「地政学リスクの分散」と「日本製装置への信頼の高さ」は、国内外での需要を底上げし、同社の受注機会を拡大させています。

また、環境対応やカーボンニュートラルといった次世代ニーズにも応える形で装置の効率性・省エネ性能を高めており、新たな成長機会の創出にもつながっています。

このように、東京エレクトロンはAI・半導体トレンドの中心に位置しており、製品力・技術開発・地政学環境の3点から、今後も中長期的に高成長が期待される企業といえるでしょう。

まとめ

今回は、東京エレクトロンとはどんな会社?業績や今後の成長について紹介してきました。

東京エレクトロン株式会社とは、日本を代表する半導体製造装置およびフラットパネルディスプレイ(FPD)製造装置の大手メーカーです。

2025年売上・利益ともに過去最高で、AIの普及により今後も成長が期待できる半導体メーカーです。

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