みなさんは、富士通という会社を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
富士通は、その黎明期から通信網をはじめとする社会インフラを支える会社として発展してきました。
現在は、ITサービス、システムインテグレーション、クラウドサービス、情報通信機器、電子デバイスなど幅広い事業を展開するグローバル企業として成長しています。
毎年、株価も右肩上がりに成長しており、今後も期待されている企業の一つです。
今回は、富士通は何をしている会社?歴史や業績について紹介していきます。
資産運用を考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
富士通とは?

富士通株式会社は、日本を代表する情報通信技術(ICT)企業で、1935年に富士電機の通信部門から独立する形で設立されました。
本社は、東京都港区にあり、ITサービス、システム開発、クラウドコンピューティング、AI、ネットワークインフラなど、幅広い分野でビジネスを展開しています。
富士通は、特にBtoB(企業間取引)分野に強みを持ち、日本国内の官公庁、大手企業、医療機関、教育機関などに数多くのITソリューションを提供しています。
たとえば、行政手続きのデジタル化、銀行の基幹システム、製造業のIoT導入支援など、多岐にわたる業種を支えています。
以前は、パソコンや携帯電話などのコンシューマー向け製品でも知られていましたが、現在はそうした事業を縮小・分社化し、ITサービス中心の企業へと転換を進めています。
また、富士通は約100か国で事業を展開するグローバル企業であり、国際的にも高い評価を受けています。
近年では、サステナビリティ(持続可能性)を重視した経営にも力を入れており、脱炭素社会の実現や人権・ダイバーシティの推進にも積極的です。
こうした取り組みにより、単なるIT企業ではなく、社会課題の解決に貢献する総合ICT企業としての存在感を強めています。
富士通の業績は?
富士通は、2024年度(2024年4月〜2025年3月)において、増収増益の顕著な業績を達成しました。
ここでは、売上高・利益を中心にまとめてみました。
売上高
連結売上収益(継続事業)は、前年同期比+2.1%増の3兆5,501億円(前年:3兆4,769億円)です。
中核の「サービスソリューション」部門の売上はm+5.1%増の 2兆2,459億円です。
営業利益・利益率
調整後営業利益は+15.8%増で3,072億円 に達し、過去最高を記録しています。
また、営業利益率も前年の約7.6%から 8.7% に改善しています。
サービスソリューション部門では、調整後営業利益が 2,899億円(+22.2%)、利益率12.9%です。
当期利益
調整後当期利益(親会社株主帰属)は+2.2%増で、 2,409億円と過去最高を記録しています。
IFRS会計に基づく当期純利益は、1・2・3月期の一過性項目を含め 2,198億円で前年から13.6%減少しています。
部門別概況
サービスソリューション:売上22,459億円、営業利益2,899億円、利益率12.9%と高収益です。
しかし、ユビキタスソリューション(PCやネットワーク等のハードウェア)は、減収傾向にあります。
売上・利益の推移グラフ

(売上高:青線、純利益:緑線 グラフは決算を参考に筆者作成)
上のグラフは、富士通の過去5年間(2020年度〜2024年度)の売上収益と当期利益の推移を示したものです。
全体的に売上は安定していますが、利益は2022年度以降に大きく伸び、2024年度は過去最高の2,409億円となりました。
これはサービスソリューション部門の成長と、経営効率の向上が貢献しています。
来期予想(2025年度)
・売上収益:3兆4,500億円(前期比-2.8%見込み)
・調整後営業利益:3,600億円(+17%見込み)
・調整後当期利益:2,500億円(+3.7%見込み)
要約と今後の展望
富士通は、中核のサービスソリューション事業を中心に大幅な増益を達成し、高い収益性を実現しました。
特に、調整後営業利益の伸びと過去最高益の更新が目立ちます。一方で、ユビキタス部門の収益は縮小しており、来期は売上微減の見込みですが、利益率向上によって全体的な収益性維持を図る戦略をとっていくでしょう。
今後どのように成長していくのか?

富士通は今後、主にITサービスとデジタルトランスフォーメーション(DX)分野に注力し、持続的な成長を図っていく方針です。
これまでのハードウェア中心から脱却し、企業や官公庁の業務改革を支援するサービス志向型企業への転換が進んでおり、特にクラウド、AI、サイバーセキュリティ、量子技術など先端領域の強化が成長のカギを握るでしょう。
中核となるのは、「Fujitsu Uvance(ユーバンス)」という統合ソリューションブランドで、環境・健康・都市・企業のレジリエンス強化といった社会課題の解決を軸に、グローバル展開も進めています。
特に、欧州をはじめとする海外市場でのサービス売上拡大を重要戦略と位置づけており、M&Aや現地連携を通じて成長を目指しています。
また、生成AIを活用した業務効率化や、行政・金融・製造業などの基幹システム更新需要の取り込みにも積極的です。
さらに、脱炭素やサステナビリティ関連のIT投資も今後増加が見込まれ、それに応える形でグリーンICT分野の強化も進行中です。
収益面では、高付加価値なサービス提供により利益率向上を図っており、2025年度には調整後営業利益を3,600億円まで伸ばす計画です。
全体として、社会課題解決型のテクノロジーパートナーとしての役割を明確にし、国内外での持続的成長を目指しています。
まとめ
今回は、富士通は何をしている会社?歴史や業績について紹介してきました。
富士通は、ITサービス、システム開発、クラウドコンピューティング、AI、ネットワークインフラなど、幅広い分野でビジネスを展開している会社です。
今後富士通は、クラウド、AI、サイバーセキュリティ、量子技術など先端領域の強化を図り、世界を代表する企業の一つとして期待できます。
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